インフルエンザ
インフルエンザウイルスへの感染によって発症し、一般的な風邪に比べて急激に症状が現れ重症化しやすいのが特徴です。
インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスへの感染によって発症し、一般的な風邪に比べて急激に症状が現れ、重症化しやすいのが特徴です。通常は症状が3~7日間で治まり、特に問題を起こさず治癒に向かいます。しかし、気管支炎や肺炎を併発したり、脳炎や心不全に至るケースもあるため油断はできません。抗インフルエンザ薬を飲むことで、熱やだるさなどの症状が早くおさまります。流行状況は年によって大きく異なりますが、高齢者など重症化リスクの高い方はワクチン接種が推奨されます。
流行しやすい時期
季節性のインフルエンザは例年11月~12月頃から流行が始まります。ピークは1~3月ですので、この時期には注意が必要と言えるでしょう。ピークを過ぎることで脅威は去っていくことが多いですが、場合によっては流行の時期が春先まで延びることもあるため、あまり油断することはできません。
症状
- 突然の発熱(38度以上)
- 悪寒
- 頭痛
- 筋肉痛
- 関節痛
- 全身倦怠感
- 咳、喉の痛み、鼻水
- 消化器症状
上記のような症状が、よくみられる場合はインフルエンザの可能性があります。
インフルエンザの原因
インフルエンザウイルスには、大きく分けてA型・B型・C型の3種類があります。
そのうち、特に大きな流行の原因となりやすいのはA型です。A型は人にも動物にも感染し、たくさんの亜型があるため、形を変えながら毎年のように流行しています。B型とC型はほぼ人のみに感染し、A型のような亜型は存在せず、不連続変異はないとされています。 インフルエンザは感染した人のくしゃみや咳などによって飛び散った、ウイルスを含む粒子(飛沫)を鼻や口から吸い込むことで感染します(飛沫感染)。また、飛沫から水分が蒸発した細かい粒子が空気中を浮遊し、それを吸い込んで感染する空気感染やウイルスのついた手指やものにふれて感染する接触感染もみられます。感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は1~5日です。
インフルエンザの検査方法

インフルエンザの検査には、迅速抗原検出キットが用いられることが一般的です。この検査キットでは、鼻に綿棒を入れて粘膜を採取して検査を行います。なぜ鼻から検体を採取するのかというと、インフルエンザウイルスが鼻から咽頭にかけての上気道の粘膜に付着するためウイルスが最も検出されやすくなっています。喉から検体を採取するようなケースもありますが、鼻の奥からの採取に比べるとウイルスの検出率は低くなってしまいます。そのため、鼻の奥に綿棒を入れて採取することが一般的です。採取した検体の付着した綿棒を検査薬に浸し、検査キットにその液体を乗せることでウイルスの有無を判定します。
検査を受けるタイミング
発熱してから12~24時間経過して検査を受けることがおすすめ
インフルエンザの治療で用いられる抗インフルエンザウイルス薬は発症から48時間以内に用いることが効果的ですが、検査はあまりに早い段階で受けても陰性結果になってしまう可能性があります。インフルエンザに感染すると、1~3日ほどで発症します。しかし、感染初期にはウイルス量が少ないため検査では陰性になってしまうのです。そのため、正しい検査結果を得るためにも発熱してから12~24時間経過して検査を受けることをおすすめします。発熱や症状が辛いということであれば受診して検査を受けることも可能ですが、陰性になった場合には翌日に改めて検査を行うこともあります。
予防接種

ワクチン接種後、約2週間程度でインフルエンザウイルスに対して抗体ができます。抗体は接種してから1〜2ヶ月後が最も効果がありますそのため毎年ピークを迎える1〜2ヶ月前の12月ごろにワクチン接種を終えていることがおすすめです。インフルエンザワクチンも不活化ワクチンの一種なので妊娠中でも接種が可能です。