大阪健康コラム
胆嚢ポリープとは?気になる原因と食生活の影響
胆嚢ポリープの原因、治療方法や食事のポイントを解説します。

健診の腹部エコーで「胆嚢ポリープ」を指摘され、不安に感じる方は少なくありません。本コラムでは、胆嚢ポリープの基礎、胆石はなぜできるのか、そして日々の食生活で意識したいポイントを解説します。
胆嚢ポリープとは?
胆嚢の内側に生じる小さな隆起性病変の総称です。早期の胆嚢疾患は無症状のことも多く、健診や胆石の検査の過程で偶然見つかることがあります。疑わしい所見がある場合は、超音波・CT・MRI・超音波内視鏡などで精査し、経過観察または治療の方針を決めます。公的機関の情報でも、胆嚢領域の病変は「検診や胆石発作の際に偶然発見」されることがあるとされています。
胆嚢ポリープの原因
胆嚢ポリープには病理学的にいくつかの型があり、画像・経過(サイズ変化や形状)を総合して良悪性の可能性を評価します。サイズや増大傾向などにより追加精査や外科的治療が検討されることがあります(数値基準は個々の画像所見で判断)。
胆石は「なぜ」できる?
胆石は、胆汁中の成分が結晶化・凝集し、胆嚢や胆管に石として形成された状態です。日本の大規模前向き研究(国立がん研究センター・多目的コホート研究)では、胆石の既往や胆嚢摘出術と関連する生活習慣として、加齢・高いBMI・糖尿病既往などが示され、体重の大きな増減やストレス(男性)・喫煙や閉経(女性)なども関連が報告されています。機序としては、胆嚢の収縮低下や胆汁中コレステロール濃度の上昇が結晶化に関与すると説明されています。
胆嚢ポリープと胆石症の関係
胆嚢がんの患者では胆石を合併することが一定割合でみられるものの、胆石と胆嚢がんの因果関係自体は証明されていません。検診や胆石発作への対応のなかで偶然に胆嚢の病変が見つかるケースがあるため、指摘を受けた際は計画的に画像フォローを行うことが大切です。
胆石症と食事:基本は「バランス」と「体重管理」

胆石に特化した食事療法は公的なガイドラインとしてはあまり示されていません。しかし、国の栄養指針に沿ったバランスの良い食事や、適正体重の維持は生活習慣病予防の面からもすすめられています。研究でも、肥満や急な体重の増減が胆石と関係していると報告されており、普段から食事と体重を意識して整えることは理にかなっています。
胆石症食事の考え方
以下は「消化器に負担をかけにくい」「総摂取量と脂質の摂り過ぎを避ける」という一般的な工夫です。食習慣の立て直しは、厚生労働省・農林水産省が示す「食事バランスガイド」をベースに、ご自身の活動量と栄養バランスを意識することから始めましょう。
胆石症に配慮した食生活のポイント
脂質過多を避ける
✖:揚げ物、脂身の多い肉、クリームやバターを多く使った菓子を頻繁に食べる
◎:魚・大豆製品・赤身肉を適量に、調理は「ゆでる・蒸す・焼く」を中心に規則的な胆嚢収縮を促す
✖:断食や極端な欠食を繰り返す習慣
◎:1日3食を目安に適量をとり、間食は量と頻度を管理体重管理を意識する
✖:短期間での急激な減量
◎:主食・主菜・副菜・乳製品・果物をバランスよく取り入れ、適正なエネルギーで
注意点・受診の目安
右上腹部痛、発熱、黄疸、強い吐き気などが出た場合は早めに受診してください。胆道の病変は進行しても症状が乏しいことがあり、検診での偶発所見が手がかりとなることがあります。
健診で胆嚢ポリープを指摘されたら、医師の指示に従いエコー等で定期的に経過を見ましょう。
胆嚢ポリープの診断・治療
経過観察か治療かは、画像所見(サイズや形態、増大傾向)と全身状態を踏まえて個別に判断します。悪性が疑われる所見がある場合は手術を検討します。
胆嚢ポリープは健診や胆石対応の過程で見つかることがあり、画像所見に応じて経過観察または治療を選択します。
胆石は、胆汁成分の結晶化と生活習慣の影響が関与します。体重管理とバランスの取れた食事を心がけましょう。
症状がある、所見が変化するなど不安があれば、内視鏡・消化器領域の専門医に相談してください。