COLUMN

大阪健康コラム

2025.07.11

熱中症を防ぐには?原因と症状を知って正しく予防しよう

健康管理

熱中症の主な症状、原因、体への影響や改善・対策方法などについて詳しく解説。

暑い夏の日差しの中で、ふと立ちくらみを感じたり、急に体がだるくなったりしたことはありませんか?
それは、もしかすると熱中症の初期症状かもしれません。
近年、熱中症による救急搬送や重篤な健康被害が増加しています。
真夏だけでなく、梅雨明け直後の気温が急上昇する時期や、湿度の高い日にも起こるこの症状は、命に関わる可能性があるにもかかわらず、まだまだ軽視されがちです。

夏になると、毎年のように話題になる「熱中症」。
気温が高い日が続くと、ニュースでも熱中症による搬送者数が報道されることが増えてきます。
特に近年は、地球温暖化や都市のヒートアイランド現象の影響もあり、真夏日・猛暑日が以前よりも増加傾向にあります。
それに伴って、熱中症のリスクも確実に高まってきているのです。

熱中症は高温多湿な環境下で、私たちの体がうまく体温調節できなくなることで発症します。
本来、体は汗をかくことで熱を逃がしますが、気温や湿度が高すぎるとその機能がうまく働かず、体内に熱がこもってしまうのです。
特に体温調整機能が未熟な子ども、体力や抵抗力が低下している高齢者は熱中症にかかりやすく、重症化もしやすいため注意が必要です。

また、熱中症は屋外だけでなく、実は室内でも発症する可能性がある怖い症状です。
しかも、初期症状を見逃してしまうと命に関わる重篤な状態に至ることもあります。
そのため、正しい知識と予防意識が何よりも重要です。

この記事では熱中症のリスク要因、具体的な症状、発症しやすい環境やタイミング、そして今日からできる予防策まで、幅広く解説します。
家族や自分自身を守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。

知っておきたい熱中症のリスク

熱中症は、高温多湿な環境下で体温の調整機能がうまく働かなくなることで起こります。
私たちの体は汗をかくことで体温を調節しますが、湿度が高すぎたり、水分が不足していたりすると、汗をかいても体温を下げきれず、体内に熱がこもってしまいます。

特にリスクが高いのは以下のような人たちです。

  • 高齢者:体温調節機能が低下しており、暑さに対する感覚も鈍くなっています。
  • 乳幼児:体重に対して体表面積が大きく、脱水になりやすいです。
  • 屋外での作業者や運動をしている人:長時間、直射日光を浴びたり、汗を多くかく状況にいます。
  • 持病のある人:心疾患や糖尿病などがあると、熱中症の症状が重くなる傾向があります。
  • エアコンを使用しない生活をしている人:室内でも気温や湿度が高くなると熱中症を引き起こします。

こんな症状に注意!熱中症のサイン

熱中症の症状は、軽度から重度まで段階があります。
以下のようなサインに気づいたら、すぐに対処が必要です。

【軽度】

  • めまい・立ちくらみ
  • 筋肉のこむら返り(足がつる)
  • 大量の発汗

【中等度】

  • 頭痛
  • 吐き気・嘔吐
  • 倦怠感・虚脱感
  • 意識がぼんやりする

【重度】

  • 意識障害(呼びかけに応じない)
  • けいれん
  • 高体温(体温が40℃以上)
  • 汗が出なくなる(脱水の末期)

熱中症の症状は段階によって様々です。
初期段階では、めまいや立ちくらみ、筋肉のけいれん、大量の汗などが現れます。
進行すると頭痛や吐き気、体のだるさなどが現れ、さらに重症化すると意識がもうろうとしたり、けいれんを起こしたりと、非常に危険な状態になります。
これらの症状は突然起こることも多く、初期のうちに気づいて対処することが何より大切です。

熱中症が起こりやすい時期と環境

熱中症は7月から8月の真夏のイメージがありますが、実際には6月の梅雨明け直後など、体が暑さに慣れていない時期にも多く見られます。
環境的には以下のような状況で注意が必要です。

  • 気温が高く湿度も高い日
  • 日差しが強く、風が弱い日
  • コンクリートやアスファルトの照り返しが強い場所
  • 風通しが悪く、エアコンが効いていない室内
  • 熱がこもりやすい車内(車内放置は特に危険です)

熱中症が特に起こりやすいのは、気温が30℃を超え、湿度も高く、風があまり吹かないような日です。
炎天下の屋外での運動や作業はもちろん、密閉された車内、蒸し暑い室内も危険です。
特に梅雨明け直後の時期は、身体が暑さに慣れていないため発症リスクが高くなります。
また、体調がすぐれない日や寝不足、前日に大量のアルコールを摂取した後なども、熱中症を引き起こしやすい状態にあるといえるでしょう。

また、熱中症のリスクは屋外だけに限りません。
実際には風通しの悪い室内や、エアコンを使っていない部屋でも発症例が多数報告されています。
自宅にいるだけで安心というわけではなく、こまめな水分補給や室内環境の管理が不可欠です。
特にエアコンを我慢して使用しないことはリスクを高める大きな要因になります。

今日からできる!熱中症を防ぐための予防法

熱中症は予防が可能な疾患です。
以下のような対策を習慣にすることで、発症リスクを大きく減らすことができます。

【1】こまめな水分補給

基本となるのは「水分補給」です。
のどが渇いたと感じる前に、こまめに水を飲む習慣をつけることが重要です。
特に大量に汗をかいたときには、水だけでなく塩分やミネラルも補えるスポーツドリンクや経口補水液が適しています。
大量に汗をかいたあとに真水だけを飲むと、体液のバランスが崩れて低ナトリウム血症を引き起こす恐れもありますので、塩分の補給も忘れずに行いましょう。

【2】適切な服装を選ぶ

服装にも工夫が必要です。
通気性がよく、汗を吸収して乾きやすい素材を選ぶことで、体にこもる熱を逃しやすくなります。
また、外出時には帽子や日傘を活用するなど、直射日光を避けるように心がけましょう。
さらに、冷却グッズを上手に使うことも有効です。
首元や脇の下など、太い血管が通っている場所を冷やすと、効率よく体温を下げることができます。

【3】冷却グッズの利用

保冷剤や冷却スプレー、首に巻くクールタオルなどを活用し、首元や脇の下を冷やすと体温が下がりやすくなります。

【4】エアコンを適切に使う

エアコンの適切な使用も欠かせません。
「冷房は体に悪い」「電気代がもったいない」と我慢してしまう人もいますが、過度な我慢は命に関わります。
温度設定は28℃程度でも、扇風機やサーキュレーターと併用することで、快適に過ごせる環境を作ることができます。
湿度が高いと不快指数が上がるので、除湿機能を使うことも有効です。
また、高齢者や子どもなど、熱中症リスクの高い人たちには、周囲が声をかけて異変に気づいてあげることも大切です。
室内でも定期的に温度や湿度を確認し、必要に応じてエアコンを使うように促しましょう。

【5】日常的な体調管理

日常生活においては、バランスの良い食事と十分な睡眠も熱中症予防に大きく関わっています。
規則正しい生活リズムと栄養のある食事で、暑さに負けない体づくりを心がけましょう。

【6】無理をしない

体調が優れないときは外出や運動を控えましょう。
「自分は大丈夫」と思わず、周囲の人にも声をかけ合って注意を促すことが大切です。

熱中症を正しく知ってしっかり予防を

熱中症は、気温の高い季節に誰にでも起こりうる身近なリスクです。
特に高齢者や子どもは自分で異変に気づきにくく、重症化しやすい傾向があります。
だからこそ、家族や周囲の人と一緒に意識を高め、日々の予防策を習慣化することが必要です。

熱中症は一度発症すると、その後の生活に大きな支障をきたすこともあり、重症化すれば命の危険すらあります。
しかし、逆に言えば、正しい知識と対策を知っておけば、防ぐことができるのです。

「まだ大丈夫」「少し休めば治るだろう」と甘く見ず、少しでも違和感を覚えたら早めに休息をとり、水分を補給することが命を守る行動に直結します。

これからの季節、正しい知識と対策で熱中症を未然に防ぎましょう。
日々のちょっとした心がけが、大きな事故や健康被害を防ぐ鍵になります。
あなた自身はもちろん、家族や友人、大切な人を守るために、今日からできることを始めてみましょう。