COLUMN

大阪健康コラム

2025.06.26

低血圧の原因は?症状や治し方

健康管理

低血圧の主な症状、原因、体への影響や改善・対策方法などについて詳しく解説。

朝起きるのがつらい、立ちくらみが多い、なんとなく体がだるい……。
こうした不調に心当たりがある人は、「低血圧」が原因かもしれません。
血圧が高すぎる「高血圧」はよく知られていますが、実は血圧が低すぎる状態も体にさまざまな影響を及ぼします。
特に若い女性や痩せ型の人に多く見られる傾向があり、「体質だから仕方がない」と見過ごされがちですが、日常生活の質を下げる原因にもなりかねません。

低血圧の症状は、めまいや頭痛、倦怠感だけでなく、集中力の低下や睡眠障害、消化不良など、多岐にわたります。
この記事では、低血圧の定義から主な原因、具体的な症状とその影響、さらに改善策や予防法までを詳しく解説します。
毎日の体調管理の一環として、ぜひご参考にしてください。

低血圧とは?血圧の正常値は?

血圧とは、心臓が血液を送り出すときに血管にかかる圧力のことを指します。
健康な成人における一般的な血圧の基準値は、収縮期血圧(上の血圧)が120mmHg前後、拡張期血圧(下の血圧)が80mmHg前後とされています。
日本高血圧学会によると、一般的に収縮期血圧が100mmHg未満の状態を「低血圧」と定義します。

ただし、血圧は年齢、性別、体質によって個人差があるため、必ずしも100mmHg未満であればすべて異常というわけではありません。
問題なのは、低血圧によって「めまい」「立ちくらみ」「倦怠感」といった症状が出ている場合です。
そのようなケースでは、医療機関での相談や生活習慣の見直しが必要になります。

低血圧の主な原因とは?

低血圧は、大きく「本態性低血圧」「起立性低血圧」「二次性低血圧」に分けられます。

  • 本態性低血圧

    遺伝や体質により、慢性的に血圧が低い状態。特に若年の女性に多く見られ、原因が明確でないことが特徴です。
  • 起立性低血圧

    急に立ち上がったときなどに血圧が下がり、めまいやふらつきを感じる状態。
    自律神経の調整がうまくいかないことが原因とされています。
  • 二次性低血圧

    病気や薬の影響によって血圧が下がるケース。
    心疾患、内分泌疾患(副腎不全など)、あるいは降圧剤や抗うつ薬などの副作用が原因になることがあります。

また、睡眠不足や過度のストレス、栄養の偏り、水分不足、過労などの生活習慣の乱れも、低血圧を悪化させる要因となります。

低血圧で起こりやすい症状と体への影響

低血圧による症状は多岐にわたり、以下のような不調が見られます。

  • 立ちくらみ、めまい、ふらつき

  • 慢性的なだるさや疲労感

  • 朝起きるのがつらい(起床困難)

  • 頭痛、肩こり

  • 集中力や判断力の低下

  • 食欲不振、胃もたれなどの消化器系の不調

  • 手足の冷え、寒がり

  • 動悸、不安感

これらの症状は一見すると些細なものに思えるかもしれませんが、日常生活の能率を低下させ、仕事や学業に支障をきたすことがあります。
また、転倒や事故のリスクも増えるため、放置せずに対処することが大切です。

低血圧は治るの?改善・対策方法を紹介

本態性低血圧は「病気」として扱われにくいため、特別な薬による治療が必要ない場合も多いですが、日常生活の見直しで症状の改善が見込めます。
一方で、起立性低血圧や二次性低血圧の場合は、原因となる疾患や薬剤の見直しが必要です。

改善のための基本的な対策としては、以下のような方法があります。

  • バランスのとれた食事

    特にたんぱく質、ビタミン、ミネラルを十分に摂ること。
  • 適度な水分補給

    1日1.5〜2リットルを目安に。
  • 軽い運動の習慣

    ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で継続する。
  • 十分な睡眠

    質のよい睡眠で自律神経を整える。
  • ストレスの軽減

    趣味やリラックス法を取り入れる。
  • 入浴や足湯

    血行を促進し、冷えの改善にも効果的。

症状が強い場合は、医師と相談のうえで昇圧剤(血圧を上げる薬)の使用が検討されることもあります。

日常生活でできる低血圧対策のポイント

低血圧を改善するには、生活習慣を少しずつ整えることが重要です。

  • 朝起きたら、ゆっくりと体を起こす

    急に立ち上がると起立性低血圧を引き起こすため、ベッドの上で軽く体を動かしてから起きるようにしましょう。
  • 冷え対策

    靴下や腹巻き、温かい飲み物を活用し、体温を保つ工夫を。
  • 塩分の摂取

    高血圧の人とは異なり、低血圧の場合は適度な塩分摂取が推奨されます。 ただし、腎臓や心臓に持病がある場合は、塩分が負担となることがあるため注意が必要です。
    低血圧の原因は体質や薬の副作用、病気などさまざまなので、自己判断せず、医師に相談して原因を確認し、適切な摂取量を決めましょう。
  • こまめな水分補給

    脱水状態は血圧低下を招くため、意識的に水を飲むことが大切です。
  • 規則正しい生活リズム

    毎日決まった時間に起き、食事や睡眠のリズムを整えることで、自律神経の安定が期待できます。

低血圧は、命に関わる深刻な病気ではないとされがちですが、実際には生活の質を大きく左右する重要な健康課題です。
慢性的な倦怠感や立ちくらみ、集中力の低下など、「なんとなく体調が悪い」という状態が続くと、日常生活や仕事に支障をきたすだけでなく、精神的なストレスの原因にもなります。

特に若い女性やストレスの多い現代人にとって、低血圧は決して珍しいものではありません。
しかし、適切な生活習慣の見直しや食事、運動の工夫によって、症状の緩和や改善は十分に可能です。

「体質だから仕方ない」とあきらめる前に、自分の体の声に耳を傾け、できることから始めてみましょう。
低血圧とうまく付き合いながら、普段の不調の原因を見直し、低血圧と上手に付き合うための第一歩を踏み出していただくことが大切です。
毎日の暮らしをより快適にするために、自分自身の体調と向き合っていきましょう。