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COLUMN

大阪健康コラム

2025.04.24

胃腸に優しい食べ物・食べ方とは?

食生活

胃腸の健康を守るための食材や料理などについて解説。

胃腸の調子が悪く、下痢や腹痛を引き起こしやすい方はいませんか。
何度か対策を試みても、思うような効果が得られない方もいるでしょう。
胃腸の痛みや違和感を放置すると、場合によっては重篤な疾患へと進行することもあります。
その結果、健康を害してしまい、仕事やプライベートにも支障が出る可能性もあります。

本記事では、胃腸の健康を守るための食材や料理、控えるべき食材ついて解説します。
体内で最も重要な器官のひとつです。
健康的な生活を維持するためにも、適切なケアを心がけましょう。

腸の健康が全身の健康につながる理由

腸の健康が全身の健康につながる理由は、腸に関係する病気が多いためです。
たとえば、大腸に関わる疾患には、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群などがあります。
これらの疾患を改善することで、腸の状態が良くなり、その結果、全身の健康を維持しやすくなります。
腸内には悪玉菌が住んでおり、これらは小腸から送られてきた食べかすを大腸内で腐敗させ、アンモニアや硫化水素などの有害物質を作り出します。
この過程が大腸の疾患を引き起こす原因となります。
さらに、腸の健康は肌荒れや脳機能の低下にも関係があるとされています。
腸内には、体内で有益な物質を作り出す善玉菌や日和見菌が存在しています。
これらを増やし、活性化させることで、全身の健康効果が期待できるでしょう。

腸内細菌と寿命の関係

これまでの研究により、腸内細菌の状態と寿命には深い関係があることがわかっています。
健康な高齢者の腸内細菌を分析したところ、善玉菌の一種である酪酸産生菌やビフィズス菌が多く存在していることが明らかになりました。
これらの菌が豊富に存在することで、悪玉菌の増殖を抑制することが可能です。
とくに酪酸産生菌は、腸の粘膜を修復し、全身の免疫力を正常化させるとともに、がん細胞の抑制にも効果が期待できます。
長生きを目指したいと考えている方は、酪酸産生菌やビフィズス菌を増やすための食生活を意識して取り入れましょう。

胃腸に負担をかけない食事のポイント

胃腸に負担をかけないためには、以下の食事を心がけることが大切です。
ぜひ参考にしてみてください。

胃腸に負担をかけない食事
油・脂質が少ないもの 鶏のささみや白身魚など
(油・脂質が多いものは、消化・吸収に時間がかかり、胃に負担がかかる)
食物繊維が少ないもの にんじんやほうれん草、玉ねぎやかぼちゃなど
(食物繊維が多いものは胃腸を刺激するため、負担がかかりやすい)
薄味のもの 薄味の食事を心がける
(味が濃いものや辛いもの、酸っぱいものは胃を刺激し、負担がかかりやすい)
温かいもの 温かい食べ物を食べることを心がける
(冷たい食べ物は胃腸を刺激し、血流を低下させる要因となり、負担がかかりやすい)

胃腸の調子が悪いときに適した料理

胃腸の調子が悪いときに適した料理について、胃の状態別でご紹介します。
症状によって適切な食事を心がけましょう。

胃の状態 おすすめの料理
軽度(下痢ではないが調子が悪い) おかゆや野菜スープ、湯豆腐といった消化に良く身体を冷やさないもの
回復途中のとき 柔らかめのおかゆやうどんといった胃腸に負担をかけないもの
重症(ひどい下痢) 数分ごとにトイレに行くようなレベルの場合は、2〜3日飲水・食事を止め、点滴で水分を補給する
自宅にいる場合は、1〜2食抜き、水分を多めに補給する

消化を助ける食材と避けたい食品

胃腸の調子が悪くなったときは、消化を助ける食材と、控えるべき食材を知っておくことが重要です。
以下の食材・食品を知っておきましょう。

食品 消化に良い食品・食材 控えるべき食品・食材
肉類 脂の少ない肉類(赤身肉・ささみ・鶏皮なし肉) バラ・ロース・ハム・ベーコンなど
卵類 生卵
魚介類 白身魚(タイ・カレイ・タラ) 塩辛・干物・イカ・タコ・うなぎなど
穀類 おかゆ・うどん・食パン チャーハン・お茶漬け・菓子パン・中華麺類・スパゲッティなど
大豆製品 ひきわり納豆・豆腐 油揚げ・生揚げ・枝豆・がんもどき・五目豆など
乳製品 ヨーグルト・牛乳 ケーキ
野菜・果物類 白菜・ほうれん草・きゅうり・じゃがいも・りんご・バナナ たけのこ・セロリ・ごぼう・きのこ・海藻類・パイナップル
油脂類 バターやマヨネーズ 天ぷら・ラードなど

胃腸に優しい食べ方をしよう

胃腸は全身の健康に大きな影響を与える器官です。
胃腸の調子が悪くなると、がんやその他の重篤な疾患にかかるリスクが高まります。

胃腸の調子が悪いときは、消化に良い食べ物を選びましょう。
一方、消化に悪い食べ物を摂取すると、逆効果となってしまうため注意が必要です。
胃腸に負担をかけないためには、食べ物を適切に消化し、体内で細かく分解することが大切です。
そのためには、食事をする際に「しっかり噛む」ことが重要です。
咀嚼回数を増やすことで、唾液の分泌が促され、食べ物の消化を助けます。
自分の健康維持のために、胃腸の状態を意識し、適切な食生活を心がけましょう。