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COLUMN

大阪健康コラム

2025.04.24

逆流性食道炎とは?予防するポイント

健康管理 生活習慣

生活習慣の乱れやストレスなどの原因で、誰でも発症する病気です。
原因や症状、予防のポイントについてわかりやすく解説。

最近、胸やけや喉の違和感を感じることはありませんか?
それはもしかすると「逆流性食道炎」のサインかもしれません。
逆流性食道炎は、「自分には関係ない」と思っていても、生活習慣の乱れやストレスなどが原因で、誰でも発症する病気です。
気づいたときには症状が悪化し、痛みや違和感が増えて、日常生活に支障をきたすこともあります。

本記事では、逆流性食道炎の原因や症状、発症リスクが高い人の特徴、そして予防のポイントについてわかりやすく解説していきます。
逆流性食道炎について正しく理解し、健康的な生活を送りましょう。

逆流性食道炎とは?

逆流性食道炎とは、胃の内容物(とくに胃酸)が食道へ逆流し、炎症を引き起こす疾患です。
健康な人でも一時的に胃酸が逆流することはありますが、通常はすぐに治まり、大きな問題にはなりません。
しかし、逆流が長期間続くと食道の粘膜が傷つき、炎症を引き起こすようになります。
逆流性食道炎は成人の約10〜20%が罹患しているとされており、とくに中高年や高齢者に多くみられます。
放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの対策が重要です。

逆流性食道炎の原因

食道と胃のつなぎ目に「下部食道括約筋」と呼ばれる筋肉があり、食物が通過するとき以外、胃の入口を閉じて逆流を防いでいます。
しかし、この筋肉が緩むと、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなり、食道に負担がかかります。
逆流性食道炎の主な原因は、生活習慣の乱れやストレスによる胃酸の過剰分泌や、肥満や姿勢の歪みによる腹部の圧迫です。
とくに食生活の乱れが影響を及ぼし、過食や暴飲暴食、過度な喫煙・飲酒などがリスクを高めます。

逆流性食道炎の主な症状

逆流性食道炎の主な症状は以下のとおりです。当てはまるものがないか確認しておきましょう。

逆流性食道炎の主な症状 概要
胸やけ みぞおちから胸の下にかけて焼けつくような違和感がある
胃もたれ 食べたものが未消化で残り、もたれたような感覚がある
胸痛 締めつけられるような胸の痛みがある
お腹の張り 便秘でないにもかかわらずお腹がパンパンに張る
耳の違和感 耳の奥に痛みを感じたり、耳鳴りを感じたりする
声のかすれ 声がかすれたり、高い声が出にくくなったりする
急に咳が出たり、しつこく咳が続いたりする
喉の違和感 喉に痛みを感じたり、イガイガしたりして食物が飲み込みにくくなる
げっぷ すっぱい胃酸が口の中に込み上げてくる感覚があり、ゲップが頻繁に起こる

どんな人がなりやすい?

逆流性食道炎になりやすい人の特徴 概要
食べ過ぎ・早食いしがちな人 食べ過ぎや早食いをすると、胃内圧が上昇し、逆流が起こりやすくなる
アルコールや炭酸飲料・脂っこいものを摂りがちな人 脂肪の多い食物を摂り過ぎると、下部食道括約筋が緩み、逆流の原因となる
食後にすぐに寝る習慣がある人 食後は胃酸が最も多く分泌されるため、食べてすぐに横になると逆流が起こりやすくなる
喫煙習慣がある人 喫煙は下部食道括約筋の機能を低下させ、逆流を引き起こしやすくなる
肥満体型の人・衣服やコルセットでお腹を締めつけることが多い人 腹圧が上昇し、胃の内容物が逆流しやすくなる
長時間前かがみの姿勢をとる人 胃を圧迫し、腹圧を高めてしまい、逆流を引き起こしやすくなる

日本で増えている理由は?食事の欧米化

逆流性食道炎が日本で増えていることをご存知でしょうか。
この背景は、日本の食事が欧米化していることが関係していると考えられています。
欧米の食事は日本食に比べて肉類や脂肪分が多く、胃酸の分泌が活発になりやすいため、
胃酸の逆流を引き起こしやすくなります。
これにより逆流性食道炎の発症リスクが高まるのです。
さらに、肉類や脂肪分の多い食事を続けると、肥満のリスクも高まります。
肥満になると、お腹に圧力がかかって胃の内圧が上昇し、胃酸が逆流しやすくなるでしょう。

逆流性食道炎を予防するには?

逆流性食道炎は、生活習慣や食生活の乱れなどによって発症する病気です。
軽い症状であれば、生活習慣を見直すことで改善が期待できます。
逆流性食道炎に当てはまる症状がある方は以下の方法を試し、予防に努めましょう。

食生活のポイント

  • 食べ過ぎを防ぐ

    食事は腹八分目を意識する。
  • 消化の良いものを選ぶ

    胃に負担のかかりにくい食事を心がける。
  • 就寝2〜3時間前の食事を避ける

    胃の中に食べ物が残っていると、逆流が起こりやすくなる。
  • 食後すぐに横にならない

    胃酸の逆流を防ぐため、食後はしばらく横にならずに過ごす。
  • 刺激物の摂取を控える

    チョコレート、コーヒー、アルコール、高脂肪食、香辛料、炭酸飲料などを過剰にとらない。

その他生活習慣のポイント

  • 腹圧をかけない

    前かがみの姿勢や腹部の締めつけ服装を避ける。
  • 喫煙を控える

    喫煙は逆流を引き起こす要因になるため注意する。
  • 適切な寝姿勢をとる

    右側を下にせず、上半身を少し起こした状態で寝ると逆流を防ぎやすい。

逆流性食道炎が重症化すると、日常生活に支障をきたし、仕事やプライベートに影響を及ぼす可能性があります。
健康状態を維持するためにも、予防につながる生活習慣を意識し、日々の健康管理を徹底していきましょう。