大阪健康コラム
ビタミン不足になるとどうなる?体の変化は?
ビタミンの基本的な役割や種類、不足時の体の変化について徹底解説します。

現代の忙しい生活の中で、コンビニ食や外食に頼ることも多いでしょう。しかし、そうした食生活を続けていると、気づかないうちにビタミンが不足しているかもしれません。ビタミンはエネルギー源ではありませんが、代謝や免疫機能、細胞の修復などに欠かせない、健康の土台となる栄養素です。
このコラムでは、ビタミンの基本的な役割や種類、そして不足したときに起こる体の変化について詳しく解説します。さらに、日々の食事で意識すべきポイントや、効率的なビタミン摂取方法についてもご紹介します。ご自身やご家族の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。
ビタミンにはどんな役割があるの?
三大栄養素の代謝を助けるビタミンの働き
ビタミンは、炭水化物、脂質、たんぱく質といった三大栄養素の代謝を助ける補酵素としての役割を果たします。たとえば、ビタミンB1は糖質の代謝に関与し、エネルギー産生をサポートします。ビタミンB2やB6も、脂質やたんぱく質の代謝に関与し、体内でのエネルギー生成や組織の修復に必要不可欠です。
また、ビタミンCやビタミンEには抗酸化作用があり、細胞の老化を防いだり、免疫機能を高めたりする働きもあります。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨や歯の健康維持に欠かせません。
ビタミンの種類
ビタミンは大きく分けて「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」の2種類があります。
- 水溶性ビタミン:ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)およびビタミンC
- 脂溶性ビタミン:ビタミンA、D、E、K
水溶性ビタミンは体に蓄積されにくいため、毎日の食事で継続的に摂取する必要があります。一方で、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすく、過剰摂取による副作用にも注意が必要です。
ビタミン不足で起こる体の不調とは?
ビタミンが不足すると、以下のような体の不調や症状が現れます。
| ビタミンA不足 | 夜盲症(暗いところで見えにくくなる)、皮膚や粘膜の乾燥、免疫低 |
| ビタミンB1不足 | 疲労感、食欲不振、脚気、神経障害など |
| ビタミンB2不足 | 口角炎、口内炎、皮膚炎 |
| ビタミンB6不足 | 末梢神経障害、貧血、うつ症状 |
| ビタミンB12不足 | 悪性貧血、記憶力低下、めまい |
| 葉酸不足 | 妊娠初期の胎児の神経管閉鎖障害リスク増加 |
| ビタミンC不足 | 壊血病(歯茎からの出血、皮下出血)、免疫力の低下 |
| ビタミンD不足 | 骨軟化症、くる病、骨粗しょう症のリスク増加 |
| ビタミンE不足 | 筋力低下、視力障害、免疫力の低下 |
| ビタミンK不足 | 血液の凝固異常、出血しやすくなる |
これらの症状は初期段階では自覚しにくいことも多く、日常的な倦怠感や肌トラブルなどを見過ごしてしまいがちです。しかし、長期間にわたってビタミン不足が続くと、生活の質に大きな影響を与える重大な疾患につながる可能性があります。
毎日の食事、バランス取れてる?食生活を見直そう

現代の食生活は、外食やインスタント食品に偏りがちです。これらの食品はエネルギー量は十分でも、ビタミンやミネラルが不足しやすいという特徴があります。特に、白米やパンなどの精製された炭水化物中心の食事では、ビタミンの摂取が不十分になりがちです。
食生活の偏りによる主な原因
- 外食・コンビニ食・インスタント食品の利用が多い
- 野菜や果物の摂取量が少ない
- 炭水化物中心で、主菜・副菜のバランスが崩れがち
ストレスや睡眠不足、喫煙、飲酒といった生活習慣も、体内のビタミンを消耗させます。
ビタミンが消耗しやすくなる要因
- ストレス:ビタミンCが多く消費される
- 喫煙:非喫煙者より多くのビタミンCが必要
- 飲酒:肝機能への負担によりビタミンB群が不足しやすい
- 睡眠不足:代謝バランスの乱れでビタミンの利用効率が低下
加齢に伴い、消化・吸収機能が低下します。同じ量の栄養を摂っても若年層より吸収率が落ちるため、高齢者はより意識的な摂取が必要です。
毎日の食事で意識したい食材
- 緑黄色野菜(例:ほうれん草、にんじん、ブロッコリー)
- 果物(例:みかん、キウイ、いちご)
- 豆類・ナッツ類(例:大豆、アーモンド)
- 魚介類(例:サバ、イワシ、鮭)
- 乳製品・卵
さまざまな食材をバランスよく組み合わせることが、ビタミン不足を防ぐ基本です。
食事以外でおすすめのビタミン摂取方法
どうしても忙しくて食生活が乱れがちな方や、特定の栄養素を強化したい方には、サプリメントの活用も一つの方法です。マルチビタミン剤であれば、日常の不足分を効率よく補うことができます。
- マルチビタミン剤:複数のビタミンをバランスよく補給できる
- ビタミンD:日光に当たることで体内合成されるため、日中に15〜30分ほど手や顔に日光を浴びるのがおすすめ
- 過剰摂取に注意: 脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は体に蓄積されやすく、摂りすぎると頭痛・吐き気・肝機能障害などの副作用を引き起こすことがあります
信頼できる製品を選び、医師・薬剤師・栄養士のアドバイスを受けながら摂取することが大切です。
ビタミンは、私たちの健康を陰で支える重要な存在です。エネルギー代謝や免疫機能、細胞修復、骨の健康など、体のあらゆる働きに関わっています。
ビタミン不足を防ぐために
- 主食・主菜・副菜をそろえたバランスのとれた食事を意識する
- 加工食品や外食が多いときは野菜・果物・発酵食品を意識的に摂る
- 不足しやすいときはサプリメントを上手に活用する
忙しい毎日でも、少し意識を変えるだけでビタミンをしっかり摂ることは十分に可能です。
「なんとなく不調かも?」を放置せず、自分の体と丁寧に向き合うことが、健やかな毎日への第一歩です。
