大阪健康コラム
つらい便秘症!治療法とセルフケア
つらい便秘を解消・予防するための対策などをご紹介します。

「便秘が解消されずにつらい…」
このように便秘が続いていて、つらいと感じている方も多いのではないでしょうか。
なかなか改善されず、日常生活に支障が出ているケースがあるかもしれません。
本記事ではつらい便秘症の原因や検査・治療法、解消できる方法について解説します。
便秘を解消・予防するためには、自分に合った対策を取り入れることが重要です。
本記事で学んだ方法を実践し、健康的な生活を送りましょう。
便秘症とは?
便秘症は、便の回数が少なかったり、便を出すときに痛みや出血があったりする状態です。
便秘回数は人によって異なり、たとえ便通が3〜4日に1回であっても排便時の苦痛がなければ医学的には便秘とはいいません。
一方で、毎日便が出ていたとしても、残便感があったり、腹痛やお腹の張りといった症状があったりする場合は便秘と判断されるケースがあります。
便秘症の主な原因
便秘症の原因は、以下の便秘の種類によって異なります。
便秘症の種類 | 概要 |
機能性便秘 | 大腸や直腸の動きに問題が生じて起こる便秘。 〈主な原因〉 ・加齢 ・ストレス ・食生活や運動不足などの生活習慣 |
器質性便秘 | 腸そのものの病気や構造的な異常によって、便の通過が妨げられて起こる便秘。 〈起こりやすい疾患例〉 ・潰瘍性大腸炎 ・クローン病 ・大腸がん ・腸の手術後の癒着 など |
薬剤性便秘 | 特定の薬の副作用で腸の動きが鈍くなることにより起こる便秘。 〈原因となる薬の例〉 ・抗うつ薬 ・抗コリン薬(パーキンソン病、喘息、頻尿の治療薬など) ・咳止め薬 など |
なお、最も多いのが機能性便秘であり、さらに以下の3つに分かれます。
弛緩性便秘
大腸を動かす筋肉が弛緩し、腸の内容物を肛門まで運ぶ蠕動運動が弱まることで起こる便秘。加齢や生活習慣の乱れが関係すると考えられる。痙攣性便秘
大腸の蠕動運動が起こったり起こらなくなったりして生じる便秘。主にストレスが原因と考えられる。直腸性便秘
習慣的に便意を我慢することで直腸の神経の働きが弱まり、便意を感じにくくなって起こる便秘。女性や、温水洗浄便座の水を肛門の奥まで入れてしまう方にみられる。
便秘症の検査・治療法

便秘症の検査をする際は、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)とレントゲン検査をおこなうことがあります。これらの検査を通じて、腸の状態や形状などをチェックし、便秘やその他の疾患になっていないかを確認します。
検査の結果、大腸に疾患がみられる場合は、適切な治療を受けなければなりません。
便秘の治療としては、薬物療法が一般的です。
たとえば、緩下剤で腸内の水分量を増やしたり、湿潤性下剤で便の水分量を増やしたりして便を出しやすくします。
また、刺激性下剤で腸の動きを刺激し、便を出しやすくすることもあります。
上記以外にも、医師が便秘や腸の状態を踏まえ、浣腸や漢方薬などを処方することがあるでしょう。
日常生活でできる便秘改善のポイント
便秘改善のために日常生活で実践できる方法をご紹介します。
便秘にお悩みの方はぜひ試してみてください。
便秘解消マッサージ
- 「の」の字マッサージ(基本)
お腹に「の」の字を書くように時計まわりにゆっくりと圧をかけながらマッサージしましょう。 - 下行結腸付近のマッサージ(特に便がたまりやすい箇所)
左の腰骨(腸骨)のやや内側、へその斜め左下あたり(下行結腸~S状結腸)を手で軽く押しながら硬くなった部分をゆっくりと10回程度押してください。 - さらに深めの刺激(ポイントマッサージ)
さらに強めに押しながら斜め下へ下り、また最初の硬い部分まで強く圧をかけながら戻る動作を10往復程度繰り返すことをおすすめします。
就寝前のストレッチ「わかめストレッチ」
就寝前は、リラックス効果も期待できる「わかめストレッチ」がおすすめです。
- 立った状態で両手を上に伸ばし、頭の上で手のひらを合わせます。
- そのままの体勢で3秒かけて息を吸いながらゆっくりと体を左へ傾けていきます。
- 次に左から右へ9秒かけて息を吐きながら傾けるのがコツです。
- ストレッチ中は、脇腹が伸びていることを感じつつ、3分を目安に取り組んでみましょう。
便秘解消のツボ
「合谷」や「神門」といったツボを押すことで、便意が起こるとされています。
●合谷は親指と人差し指の骨が交わるところ(手の甲側)にあるツボです。
●神門は手首の小指側(手のひら側)にあるツボです。小指側の手首のしわの上、小さな骨のすぐ内側にあるくぼみを探してください。圧力をかけると痛みを感じる箇所です。
いつでも気軽に実践できるため、気になる方は試してみてください。
ストレスをためずに過ごそう
便秘解消のために、日頃からマッサージやストレッチなどで腸の動きを活発にするのは有効です。
しかし、ストレスがたまりすぎると、自律神経が乱れ、腸の働きが妨げられる可能性があります。
そのため、日頃からストレス対策を徹底しておくことが重要です。
趣味の時間を確保したり、リラックスできる香りを楽しんだりといった工夫が必要です。
また、定期的に体を動かし、好きなものを食べるといった行為もストレス対策に効果があるでしょう。
ストレスを減らし、健康的な腸の環境を維持していきましょう。